こういった質問にお答えします。
こんな方におすすめ
- DTPオペレーターについて知りたい方
- これからDTPオペレーターを目指そうと考えている方
この記事を書いている私はグラフィックデザイナー歴約17年です。現在は印刷物からWebデザインまでやっています。
クリエイティブ系の求人で見かける「DTPオペレーター」。
「DTPオペレーター」って一体どんな仕事をする人なんでしょうか?
- 未経験から目指せるの?
- DTPデザイナーとの違いは?
- なるために必要なスキルは?
- 目指すキャリアは?
など、現役グラフィックデザイナーの視点からまとめてみました。
ぜひご覧ください!
【未経験から目指せる?】DTPオペレーターの疑問を徹底解説!
「DTPオペレーターとは何か?」を見てみましょう。
DTPとは?
DTPオペレーターのDTPとは、DeskTop Publishing(デスクトップ・パブリッシング)の略で、「パソコン上で印刷物のデータを制作すること」を意味しています。
DTPオペレーターとは?
DTPオペレーターとは、「パソコンを使っていろいろな印刷物を作る人」です。
DTPオペレーターが作る主な印刷物
- 書籍
- 雑誌
- カタログ
- チラシ
- パンフレット
- 新聞
- パッケージ
- 名刺 など
DTPオペレーターの仕事内容
DTPオペレーターの仕事内容は、パソコンを使っての仕事がほとんどですが、会社や業種によってはパソコンを使用しない業務もあります。
一般的なDTPオペレーターの仕事例をあげてみます。
ポイント
- チラシやパンフレットなどの修正
- デザイナーが作ったフォーマットを使用して組版
- クライアントからきた原稿の整理・とりまとめ
- 文字校正
- 素材のスキャニング
- グラフや表組、図形のトレース
- 印刷物に使う写真の色調調整や加工
- 他者が印刷入稿したデータのチェック・修正 など
DTPオペレーターがパソコンで仕事する時は、Adobeソフト を使用することがほとんどです。
Adobeソフト にはいろいろなソフトがあって、例えばチラシやパンフレットなどによく使うソフトは「Illustrator」、書籍やカタログなどページ数が多いものは「InDesign」、写真などの画像データの加工には「Photoshop」など、仕事によってソフトを使い分けます。
Adobeソフトについては後ほど詳しく説明します。
また、原稿を整理したり文字入力をする場合は、Microsoftの「Word」や「Excel」などを使ったりします。
DTPデザイナーとの違い
DTPオペレーターと同じような名前で「DTPデザイナー」があります。
DTPデザイナーの仕事内容は、デザイナーというだけあって、デザインに関する仕事が中心です。
一方、DTPオペレーターはデザインに関するほぼ作業はしません。
なのでDTPオペレーターとDTPデザイナーの1番の違いは、「デザインをするかどうか」という点にあります。
しかし会社によっては、DTPオペレーターが簡単なデザインを担当したり、DTPデザイナーがデザインから修正、印刷まで一人でやったりします。
案外、会社や業種によってDTPオペレーターとDTPデザイナーの違いは曖昧だったりします。
ちなみにDTPデザイナーと似たような職種に「グラフィックデザイナー」があります。
DTPデザイナーとグラフィックデザイナーの違いを知りたい方は下記をご覧ください。
こちらもCHECK
-
【DTPデザイナーとは?】グラフィックデザイナーとの違いや必要なスキルを解説
続きを見る
未経験からでも挑戦できる?
DTPオペレーターはデザイナーに比べると未経験からでも採用されるチャンスが多い職業なので、例えば、いずれデザイナーを目指すならば、一番初めのステップにDTPオペレーターを選択するのもアリです。
しかしながら未経験からDTPオペレーターに就職するのは中々険しい道です。
なので、未経験の場合は「とりあえず何がなんでも会社に滑り込む」という柔軟な発想も大事になってきます。
正社員にこだわらず、経験を積む上で派遣やアルバイトからの挑戦もいいかもしれません。
ただDTPオペレーターに未経験から挑戦するのであれば、最低でもAdobeソフトのIllustrator、Photoshop、InDesignの基本スキルや、印刷の基礎知識くらいは覚えておきたいところです。
ぶっちゃけAdobeソフトのスキルや印刷の知識は働いていけば自然に身につきますが、採用される確率を上げたいのであれば、就職前に基本的な知識は覚えておきましょう。
DTPオペレーターの主な就職先
DTPオペレーターはどんな会社に就職するのか?
DTPオペレーターの就職先は4つ考えられます。
- 印刷会社
- デザイン事務所
- 出版社
- メーカー・販売・サービス業
1. 印刷会社
印刷会社での主な仕事は、印刷するために入稿されたデータの確認や色補正、刷り出し、検品などを担当します。組版やデザインをすることもあります。
DTPオペレーターの求人で1番多いのが印刷会社です。
2. デザイン事務所
デザイン事務所での主な仕事は、デザイナーが作ったデータやラフをもとに、組版したり、修正したり、時にはデザインの一部を担当します。
デザイナーへのキャリアアップを目指すなら、デザイン事務所で経験を積むことをおすすめします。
3. 出版社
出版社での主な仕事は、雑誌や書籍などの組版やレイアウト、校正、修正、図表などの作成を担当します。
4. 販売・メーカー・サービス業
販売・メーカー・サービス業での主な仕事は、自社で取り扱っている商品やサービス、例えば飲食店ならメニュー、スーパーならチラシ、ブランドならカタログなどのレイアウトや簡単なデザインを担当します。
DTPオペレーターに役立つ資格
基本的にDTPオペレーターになるために、資格は必要ありません。
なぜなら机上の知識より、現場で使える技術、経験値のほうがよっぽど大切だからです。
しかしながら未経験からDTPオペレーターを目指すなら、一つでも多くアピール材料が欲しいところです。
資格をもっているからと言って無条件で就職はできませんが、資格はアピール材料の一つにはなるハズです。
資格1. DTPエキスパート
「DTPエキスパート」は、日本印刷技術協会(JAGAT)による検定試験です。
パソコンを使って印刷物などをデザイン・編集・製版・印刷・加工する技術や知識を認定する民間資格です。
「DTPエキスパート」と「DTPエキスパート・マイスター」の2段階制で、資格取得後は2年ごとの更新制となります。
初心者には基礎的な知識として役に立つ資格です。
資格2. DTP検定
「DTP検定」は、DTPに関する幅広い知識を問う民間試験で、「DTP検定ビジネス」と「DTP検定ディレクション」の2つの種類に分かれています。
試験の難易度による違いではなく、携わる業務や職種によって種別を分けています。
出版・広告・印刷などメディア業界での技能を身に付けている証明として役に立つ資格です。
DTPオペレーターに必要なスキル
Adobeソフトなど、DTPオペレーターになるために必要なスキルをご紹介します。
スキル1. Adobe Illustrator(アドビ イラストレーター)
Adobe Illustrator(アドビ イラストレーター) はチラシやパンフレット、ポスター、看板やPOPなどをはじめ、グラフや地図を作成したり、色々な制作物で使われるソフトです。
DTPオペレーターを目指すなら、Illustratorは使う頻度も高いので間違いなく身につけたいスキルです。
Illustratorの勉強方法はこちらでご紹介しています。
こちらもCHECK
-
【初心者向け】挫折しない!Illustratorの使い方を学ぶ【おすすめの勉強方法】
続きを見る
スキル2. Adobe Photoshop(アドビ フォトショップ)
Adobe Photoshop(アドビ フォトショップ)は画像を加工したり編集したりするソフトです。
写真を明るくしたり、写真のゴミを取ったり、写真を切り抜きしたり、人物の色味を調整したりする時に使います。
Webデザインをする時にもよく使われるソフトです。
ちなみに画像調整は感覚的な部分もあるので、ある程度の経験値が必要ですが、写真のゴミを取ったり、写真の人物を切り抜いたりする作業は比較的簡単なので、入社前に覚えておきたいところです。
スキル3. Adobe InDesign(アドビ インデザイン)
Adobe InDesign(アドビ インデザイン)は画像と文字(文章)を組み合わせたレイアウト・デザインを行うソフトです。
書籍やカタログ、パンフレットなど、ページ数の多い印刷物を作るには必須のソフトです。
InDesignはIllustratorやPhotoshopに比べて、自主的に勉強するのは難しいソフトですが、DTPオペレーターを目指すなら入社前に基本操作ぐらいは覚えておきたいところです。
InDesignの勉強方法はこちらで紹介しています。
こちらもCHECK
-
【初心者向け】挫折しない!InDesignの使い方を学ぶ【おすすめの勉強方法】
続きを見る
スキル4. Adobe Acrobat (アドビ アクロバット)
Adobe Acrobat(アドビ アクロバット)は、PDFファイル(Portable Document Format)を作成・編集・加工・管理するためのソフトウェアです。
印刷するためのデータは、PDFファイルが一般的です。さらにPDFファイルは電子書籍やメーカーの機器のカタログ・取扱説明書、パンプレットなどで使われています。
DTPオペレーターはPDFファイルを扱うことが多いので、入社前に基本的な知識は覚えておきたいところです。
Adobeソフトをお得に手に入れたい方は下記でご紹介しています。
こちらもCHECK
-
【2024年8月最新】少しでもAdobeを安く買う方法!「アドビスクールパートナー」3社の通信講座を徹底比較
続きを見る
スキル5. 印刷の知識
「面付・台割・トンボ」など、印刷の知識については、会社独自のルールも多いため細かい部分は入社してから覚えていけば問題ありません。
しかしながら、一般的な印刷工程や仕組みなどは働いていけば覚えていきますが、基本的なことは入社前に覚えておくことをおすすめします。
印刷やDTPを自分で勉強するには本がおすすめです。
印刷やDTPの勉強におすすめの本は下記でご紹介しています。
こちらもCHECK
-
【2024年】DTP・印刷の基礎知識おすすめの本 5選【デザイナーなら 1 冊は持っておきたい】
続きを見る
DTPオペレーターに向いている人
DTPオペレーターはこんな人が向いています。
集中力があって粘り強い
DTPオペレーターは長時間、単純な作業をしなければいけない時があります。
さらに、細かく、ミリ単位で求められる仕事もあります。
DTPオペレーターは、集中力があって粘り強く作業ができる人が向いています。
丁寧なチェックでミスを防げる
印刷物は一度印刷してしまったらやり直せないのでミスは許されません。
ミスをすると、印刷のやり直しなどの作業やお金が発生します。
DTPオペレーターは普段から注意深く、間違えや違和感に気づきやすい人が向いています。
作業スピードが早い
DTPオペレーターは、とにかく作業スピードが求められます。
限られた時間内で作業をしなければならないことが多いです。
もちろん仕事を続けていればある程度作業スピードは上がりますが、普段から何をやっても手が早い人に向いています。
もちろんスピードだけでなく、正確性も求められますのでバランスが大事です。
DTPオペレーターの年収
一般的な正社員のDTPオペレーターの年収はこちらです。
平均年収 | 平均月収 |
262万5238円 | 18万7517円 |
引用元:はたらいく
DTPオペレーターは、デザイン業界の中でも平均年収は低い傾向にあります。
比較的単純な作業が多く、未経験でも目指しやすいのが理由かと思います。また勤務先や経験・求められるスキルによって差が出やすいと思います。
ただ年収が低い職種ですが、未経験からDTPオペレーターとしてオペレーションとデザインの経験を積み、DTPデザイナーやグラフィックデザイナーへキャリアアップを目指すことで年収をあげられるチャンスはあります。
おわりに
DTPオペレーターは、未経験から目指しやすい職業です。
しかしながら、近年はクリエイティブ業界はWebが主流になっているので、DTP業界は厳しいものがあります。
でもDTPオペレーターは自分の努力やスキル次第でどんどんステップアップできる職種です。
キャリアをDTPオペレーターから始めるのであれば、将来的にはデザインやWebのスキルを身に着けてステップアップを意識しておくことをおすすめします。
今回は以上です。
ではまた!